目次
はじめに
はじめに
この記事では, 「最新の睡眠科学が証明する 必ず眠れるとっておきの秘訣!」 という本について紹介します.
多くの人が,「上手く眠れない」「夜中に目が覚める」「昼間眠くなってしまう」など,睡眠について悩んでいるのではないでしょうか. そんな睡眠の悩みを解決するためて,この本は,科学的な方法を紹介しています. この本の特徴は,筆者の櫻井武さんが医学研究者(筑波大学医学部の教授)であり,学術的に根拠のある方法が紹介されていることです. つまり,本の内容を実践すれば,効果が現れる可能性が高いと言えるでしょう.
私の感想は,一部に脳科学的な内容を含むものの,全体としてはかなりわかりやすく書かれていると感じました. 睡眠のメカニズムから有効な睡眠対策までが,166ページにまとめられており,1~2時間で読み切ることができます. また,実践的な内容は4章に整理されて書かれています. このため,最初に30分ほどかけて4章だけよ読むことで,具体的な対策を知ることもできます. 現在,Kindle Unlimited会員であれば,無料で読むことができます.
この記事では,実践すべき具体的な行動をまとめ,振り返りやすくすることを目的にしています.
睡眠神話
まず,巷の睡眠対策には,科学的な根拠が乏しいものがあります. 「睡眠神話」として紹介されているものをまとめます.
- 睡眠は90分周期とは限らない.個人差が大きい.
- 7時間睡眠がベストとは限らない.最適な睡眠時間は,個人差や年齢差が大きい.
- 睡眠にゴールデンタイム(例:22~2時)はない.確かに,「就寝後,最初に現れる深いノンレム睡眠」の時間帯が重要.しかし,睡眠開始が遅ければ,遅れて深い睡眠がやってくる.
- 眠りに効く食べ物はない.GABAを経口摂取しても,ほとんど脳には届かない.
これらを踏まえた上で,取るべき睡眠対策は以下の10個です.
眠る秘訣
1. 眠りにこだわりを持たない
- 「眠らなければ」と思うと,返って寝付けなくなりやすい
- 「一日くらい寝不足でも大丈夫」と思う方がよい
2. 寝室を眠ること以外に使わない/ベッドで15分眠れなかったら居間に戻る
- 無意識に「この部屋に来たら眠るもの」という条件付けをする
- 眠くてしょうがないという状態になってから寝室に行く
- パジャマに着替えるのも良い
3. 必要以上に早く寝ようとしない
- 普段寝る時間の2~3時間前は,「睡眠禁止帯」と呼ばれ,一番寝にくい時間帯
4. 適切な時間に眠気が起こるような生活を送る
- 夕方以降は明るい光/カフェインを避ける
- 夕食は寝る4~5時間前に,適切な量を取る
5. 朝,光を浴びる
- 太陽光/人工光のどちらでも良い
6. 昼寝は20分以内
- 長すぎると,夜の睡眠で不快ノンレム睡眠が出にくくなる
7. 睡眠薬は「眠れる」体験を得られたら卒業する
- 睡眠薬による睡眠中の脳は,通常の睡眠の状態と異なる場合がある
- 睡眠薬の服用が長期化すると,睡眠薬なしで眠りにくくなる場合がある
8. 睡眠の評価は「日中,眠くならずに支障なく生活が送れたか」で判断する
- 「よく眠れた」という感覚は当てにならない
9. 昼間に適度な運動をする
- 昼間に活動すると,睡眠負債が溜まり,夜眠りやすくなる
10. 自分にとって最適な睡眠時間を知る
- 「何時間眠れば,昼間快適に過ごせるか」を探る
- 個人差・年齢差がある.疲れた日かどうかによっても最適な睡眠時間は変わる.
実践してみた感想
私自身,まずは1週間ほど上記を実践してみました. すると,以前に比べ, 寝付くまでの時間が圧倒的に短くなりました. 具体的には,以前はベッドで横になってから1時間ほど眠れない日が半分ほどあったのですが, 7日中6日は15分以内に寝付くことができました. 残りの1日も15分後にベッドを出て少し動画(下記.この記事とは関係ないですが面白かったです)を見て,再度ベッドに戻るとすぐに寝付くことができました.
個人的な感覚では,特に,「2. 寝室を眠ること以外に使わない/ベッドで15分眠れなかったら居間に戻る」の効果が非常に大きいように感じました. 私は寝る前の行動を
- 改善前:ベッドで横になってスマホを眺める
- 改善後:床に座って,眠くなるまでPCで文章を書く
のように改善しました. 改善後は,ベッドに横になるとすぐ眠気が来るのを感じるようになりました.
おわりに
この本の前半には,睡眠のメカニズムについて,脳科学的な説明がわかりやすくまとめられています.私は,脳科学,生理化学にはあまり詳しくないのですが,興味深く読むことができました.興味のある方は是非読んでみてください.
また,睡眠薬に関する詳細な情報についても記載があります. 睡眠薬に関する悩みをお持ちの方にとって有用な情報があるかもしれません.
その他,amazonで睡眠に関する売れ筋の本をあわせて紹介しておきます.