目次
はじめに
はじめに
この記事では,「アダルトチルドレンから自由へ」という本について紹介します.
アダルト・チルドレンとは、子どものころに、家庭内トラウマ(心的外傷)によって傷つき、そしておとなになった人たちを指します。 この本では,アダルトチルドレンの特徴について,次のように紹介されています.
自尊心がない,傷つきやすい,自分の考えがない,他人の評価が異常に気になる,無気力,自虐的,他人に厳しい,キレやすい,異常な束縛をしてしまう,…
私自身は,実は,子どものころのトラウマは思い当たりません. 一方で,上記の「アダルトチルドレンの特徴」の一部に当てはまり,それを改善する方法を探していたところ,この本にたどり着きました.
この本は, 2020年6月現在,Amazonで 4.8点/5点の高い評価(47個の評価) という非常に高い評価を受けています. 私も,アダルトチルドレンを克服するための筆者の考え方が、優しい言葉でわかりやすく記載されている名著だと感じました. 165ページに簡潔にまとめられており,1~2時間で読み切ることができます. さらに,現在,Kindle Unlimited会員であれば,無料で読むことができます. 子どものころにトラウマを持つ,典型的なアダルトチルドレンの方に限らず,多くの方にとって読む価値のある本だと思います.
この記事は,既に書籍を読んだ方向けに,書籍の内容と,実践すべき具体的な行動をまとめ,振り返りやすくすることを目的にしています.
アダルトチルドレンを克服するための考え方
アダルトチルドレンは,「仕事ができない」「ファションセンスがない」など,様々な劣等感をいだきます. アダルトチルドレンを克服する上で重要なことは, このような劣等感自体を克服しようとしないこと (仕事ができるようになろうとする,ファッションセンスを磨く,など) です. なぜなら,アダルトチルドレンの症状の根本的な原因は, 不完全な自分に対する漠然とした不安 であって,具体的な能力の問題ではないからです. 心に不安があるかぎり,一つの劣等感を克服できたとしても,心に別の劣等感が浮かんでくるだけなのです. アダルトチルドレンを克服するためには,まず最初に,自分のありのままを自分自身が認めることが必要です.
アダルトチルドレンの思考の傾向
- 自分に弱さがあると,(かつて親からされたように)他者から攻撃されるのではないかと恐れている.
- 自分のありのままを認めることができない.
- 自分の弱さから目を背けるので,劣等感が強まる.
- 自分の弱い部分を隠して人付き合いをしてしまう.
- 自分の中に「許せない」がある.
目指すべき思考
- 今のままで「自分は優れている」と思う.
- 自分の劣等感を許す.
- 自分の欠点は,他者には魅力に見えるを理解する.
- 弱さをさらけ出すことで,親近感を与えられることを理解する.
アダルトチルドレンを克服するための具体的な行動
アダルトチルドレンを克服するための具体的な行動として紹介されているのは, 基本的には自己暗示です.以下のセリフを一日に100回言うという方法が紹介されています. 全てを実践することが難しい場合は,最初の 「私は優れている」 だけをまず自己暗示するだけでも良いとされています. この自己暗示を最低3週間継続することが推奨されています.
一般に: 劣等感を克服するために
- 「私は優れている」
- 「〇〇を許します」「〇〇を生かします」(〇〇は自分の劣等感.例:「仕事ができないことを許します」)
仕事でミスをしたら
- 「しゃーない」「じゅうぶん」
- 「今日を許します」
- 「(未来が)どうなっても許します」「(周囲に)どう思われても許します」「(休日等は)心穏やかに休むことを許します」「罪悪感を感じないことを許します」など
とにかく負の感情があったら「〇〇を許します」とつぶやく.
周囲の人に申し訳なさを感じたら
- 「成熟,役に立っている,いい感じ」
漠然とした不安を感じたら
- 「安全」「十分」
おわりに
まとめだけを読んだ方には,何やら精神論じみて感じられるかもしれません. しかし,書籍を読んだあとであれば,十分な納得感が感じられると思います.
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